コラム

日本政府もセキュリティ強化計画を提案!オンラインカジノを取り巻く環境はどう変わる?

日本政府もセキュリティ強化計画を提案!オンラインカジノを取り巻く環境はどう変わる?

最近、社会のいろんなシーンで話題になっているオンラインカジノ。気軽にアクセスして楽しめることから、世界中で利用者数が増え続けているとも言われていますが、そうした人気とともに、ギャンブル依存症につながるのではないかと危惧される声も依然としてあります。

日本国内では、今のところ、競馬や競艇、オートレースなどの『公営競技』と呼ばれるものを除いて、ギャンブル行為は法律で禁止されています。それだけに、海外を拠点に運営されているオンラインカジノでのプレイは常に議論の的となっていますが、今年に入って日本政府もギャンブル依存症対策の新たな基本計画を決定するなど、状況に変化が見えはじめています。日本の入金不要ボーナスを利用して試したり、お得な情報も多いオンラインカジノですが、ここではそうしたオンラインカジノやギャンブルを取り巻く日本国内の状況に対して、海外の他の国ではどうなのかなどについて見ていきたいと思います。

州によって異なるアメリカ

多くの人がカジノと聞いて、一番はじめに思い描くイメージといえば、やはり『ラスベガス』なのではないでしょうか。煌びやかな光の中で、美しく着飾ったディーラー達を前にクールにゲームを楽しむギャンブラーたち…まるで映画の中のような、そうしたイメージがあるだけに、アメリカはギャンブル全体に対して寛容な国というイメージもあるかもしませんが、実は、州によってその認識は大きく異なります。つまり、同じアメリカでも、州によって合法化されているところと、日本のように違法と扱われるところに分かれるのです。

例えば、コネチカット州、デラウェア州、ミシガン州、ニュージャージー州、ペンシルバニア州、ウェストバージニア州などではギャンブルは合法として認められており、ランドカジノだけでなくオンラインカジノも合法化されています。また、それ以外の州でも、オンラインカジノは違法でもスポーツベッティングは合法としているところがほとんどです。

スポーツベッティングといえば、日本ではネガティブな印象を持っている人も多いかもしれませんが、アメリカでは日本人野球選手も多く活躍しているメジャーリーグをはじめ、アメリカンフットボールやバスケットボールなど、スポーツ業界におけるスポーツ観戦の楽しみ方のひとつとして認められています。

実際、アメリカにおけるスポーツベッティング市場は世界的に見ても驚異的な成長を続けており、2022年の市場規模が12兆円を超えたとも言われています。こうしたiGaming市場の成長を受けて、近年ではこれまでオンラインカジノを違法としていた州でも合法化しようとする動きが強まっています。

古い歴史を誇るヨーロッパのカジノ

一方、ヨーロッパでもオンラインカジノなどのギャンブルが合法化されている国がたくさんあります。

例えば、大手ゲーミングプロバイダーや大手カジノが本社を置いている北欧の国・スウェーデンでは、2018年にギャンブルを合法化する法案が可決されましたが、これには合法化することでオンライン上での違法カジノの蔓延を管理し、厳しい規制を敷いてプレイヤーに対する保護効果も高まるという狙いがありました。また、各カジノ事業者から18%の納税を義務化しているので、税収を生み出すとともに不正行為ができないようにシステム化されています。

また、イギリスでは人口の17%近くがギャンブルをしていたりと、世界的に見ても広く普及しているため、日本国内のようにギャンブル行為自体に対する世間的な風当たりも厳しくありません。有名なプロサッカークラブのスポンサーとして、スポーツベッティング企業が名を連ねていたり、TVなどのCMで広告を見かけるのも普段の光景となっています。

さらに、イギリスやスウェーデンだけでなく、イタリア、デンマーク、フィンランド、ベルギーなどでは、オンラインギャンブルの勝利金が非課税となっている国もあります。

カジノの歴史は17世紀のイタリアにはじまったとも言われていますが、古い歴史を持つだけに、ギャンブルの嗜み方、つきあい方が文化として根付いているのがヨーロッパなのかもしれませんね。

日本のオンラインカジノを取り巻く状況

一方、日本国内では、先述したようにギャンブル行為は『公営競技』を除いて今のところ違法とされています。そのため、国内でのオンラインカジノの運営も違法とされていますが、それだけに、海外で合法的に運営されているオンラインカジノでプレイすることは長くグレイゾーンとして扱われてきました。

しかし、ここ数年の日本からの利用者数が一気に増えたことにともない、この度、日本政府はギャンブル依存症対策の新たな基本計画を決定しました。ギャンブル依存症対策の基本計画は3年ごとに見直されていますが、ここにオンラインカジノに関する項目が新たに含まれることとなったのです。

このように、日本では規制が強まる傾向が見えていますが、こうした状況に変化をもたらすかもしれないと期待されているのが、大阪の夢洲で2030年のオープンに向けて進められているカジノを含む総合型リゾート施設『IR計画』です。

これが実現されれば、日本に初めてランドカジノが誕生することになるわけですが、それにともない、ギャンブルに関する規制をどう整えていくのかという点も注目されています。日本の近隣諸国を見ても、韓国やシンガポールなど、IRで観光客をうまく呼び込み、経済的に成功している例もあります。アメリカのメジャーリーグのように、スポーツベッティングを合法化することで業界全体の経済成長率が著しく伸びたという例もあります。「合法化して、管理・課税するのが現実的」という声もある中で、これから日本の状況がどう変っていくのかが注目されています。