2024年の夏の甲子園を大いに沸かせた大社高校。「大社旋風」は今年の甲子園を象徴する言葉の一つになりました。
今回は島根県立大社高校野球部の今年の夏の軌跡や選手エピソード、快進撃の理由について調査しました。
大社高校の2024年夏の軌跡
まずは島根県立大社高校野球部の2024年夏の軌跡をおさらいしてみましょう。最初に夏の県大会ですが、1回戦、2回戦は大差で勝利するなど相手高校を圧倒してきた大社高校。決勝では三年前に決勝で相対し、ノーヒットノーランを喫して敗れた石見智翠館とぶつかりました。その年に甲子園ベスト8を達成した強敵の石見智翠館、しかし三年経てば選手たちもまるっと入れ替わっています。
1点を先行されると追いつき、また先行されるとまた追いつきという試合展開だった決勝戦、大社高校は7回裏に遂に勝ち越し、結果3対2。石見智翠館が二本のホームランで得点したのに対し、大社高校はスクイズを2つ決める手堅い野球で接戦を制しました。
32年ぶりの甲子園で躍動
大社高校にとっては実に32年ぶりの甲子園。一回戦から今年のセンバツで準優勝の兵庫の名門、報徳学園と当たるも、1回表から先制し9回途中まで点を許さない堂々たる戦いぶりで3対1と勝利。2回戦、長崎県の創成館高等学校との試合では8回に2点差を追いついて3対3で延長タイブレークに持ち込み、結果5対4というスコアで勝利。死闘を制しました。
3回戦の相手となったのは西東京の早稲田実業、夏の甲子園最多の30度の出場を誇る名門中の名門です。それでも1回裏に見事先制した大社高校ですが、6回と7回に失点して逆転を許し、9回表が終わって2対1でリードを許し追い詰められることとなったのですが……。
大社旋風が多くの感動を呼んだ
一点を追う9回裏、相手のエラーからチャンスを作ってスクイズで同点に追いつくことに成功。しかし早稲田実業も譲らずその後のピンチは内野5人シフトも駆使して抑え、この試合も延長タイブレークにもつれ込みました。10回は共に無失点、大社高校は11回表をも無失点で切り抜け、11回裏にはセーフティバントも絡めた攻撃で見事サヨナラ勝利を勝ち取りましたよ。
鹿児島の神村学園と戦った準々決勝では先制こそするも徐々に劣勢となり、2対8のスコアで敗戦。多くの高校野球ファンを感動させた大社旋風は、ここで終わりを迎えました。
脅威の強心臓が呼んだサヨナラ劇
早稲田実業との延長タイブレーク11回裏、大社高校の石飛監督はノーアウト一二塁で一点取れば勝ちという場面でセオリー通りバントの作戦を立てます。フォースプレーとなり決して簡単ではないこの局面でのバント、失敗すればダブルプレーでチャンスを潰してしまう可能性もあった中、石飛監督はピンチバンターの立候補を募りました。
「自分しか決められない」と手を挙げたのは二年生の安松選手。この夏初めての出場機会となった安松選手のバントは三塁線に絶妙に転がり、内野安打という最高の結果を生み出しました。
エース馬庭が快進撃に導いた
要所でのバントなど、小技をしっかり駆使して勝ってきた大社高校。ですが快進撃の一番の理由はなんといってもエース、馬庭選手でしょう。1回戦で9回1失点完投、2回戦で10回4失点完投、3回戦ではなんと11回149球を一人で投げ、2失点で勝利に大いに貢献しました。
「地元の大社で甲子園に行きたい」と大社高校に入学した馬庭選手はタイミングが取りづらいフォームと高い制球力で相手打者を圧倒、何よりも「自分が抑える」という気持ちの強さで甲子園のマウンドを守り続けましたよ。
馬庭選手が今後どのような道へ進まれるのか、気になりますね!
【甲子園】なぜ、大社・馬庭優太は大会屈指の好投手となったのか 野球人、人間的な4つの魅力(週刊ベースボールONLINE) – Yahoo!ニュース
最後に
今回は島根県立大社高校野球部の快進撃の理由や軌跡などについて紹介しました。強豪校に打ち勝ち、大社旋風を巻き起こした大社高校。またいつか甲子園の舞台に帰ってきてほしいですね!